日本で受けられる心理カウンセリングには、さまざまな形式や専門家が存在します。以下に主な種類や特徴を紹介します。
カウンセリングの種類
対面カウンセリング:
特徴: カウンセラーと直接会って行うカウンセリングです。非言語的なコミュニケーションが可能で、信頼関係を築きやすいです。
場所: カウンセリングルームやクリニック、病院など。
メリット
- 非言語的コミュニケーション: 表情や身振り手振りを通じて、より深い理解が得られる。
- 信頼関係の構築: 直接会うことで、カウンセラーとの信頼関係を築きやすい。
- 集中しやすい環境: カウンセリングルームは、相談に集中できる環境が整っている。
デメリット
- 移動の手間: カウンセリングを受けるために移動が必要で、時間がかかることがある。
- プライバシーの懸念: 他の人に見られる可能性があるため、プライバシーが気になる場合がある。
オンラインカウンセリング:
特徴: インターネットを通じて行うカウンセリングで、自宅からでも受けられます。ビデオ通話やチャット形式が一般的です。
利点: 移動の手間がなく、プライバシーが守られやすいです。
メリット
- アクセスの容易さ: 自宅から簡単に受けられ、移動の手間がない。
- プライバシーの保護: 自宅で行うため、他人の目を気にせずに相談できる。
- 柔軟なスケジュール: 自分の都合に合わせて予約ができる。
デメリット
- 技術的な問題: インターネット接続やデバイスのトラブルが発生する可能性がある。
- 非言語的コミュニケーションの制限: 表情や身振り手振りが伝わりにくく、誤解が生じることがある。
電話カウンセリング:
特徴: 電話を通じて行うカウンセリングです。対面やオンラインが難しい場合に利用されます。
利点: 直接会うことに抵抗がある人にとって、気軽に相談できる方法です。
メリット
- 気軽さ: 対面に比べて、気軽に相談できる。
- 移動不要: 自宅や外出先からでも受けられる。
デメリット
- 非言語的な情報の欠如: 声だけのやり取りになるため、感情やニュアンスが伝わりにくい。
- 集中力の維持が難しい: 環境によっては集中しづらい場合がある。
グループカウンセリング:
特徴: 複数の参加者が集まり、共通のテーマについて話し合う形式です。相互のサポートが得られます。
利点: 他の人の経験を聞くことで、自分の問題を客観的に見る手助けになります。
メリット
- 相互サポート: 他の参加者の経験を聞くことで、自分の問題を客観的に見る手助けになる。
- 孤独感の軽減: 同じような悩みを持つ人と話すことで、孤独感が和らぐ。
デメリット
- 個別のニーズに応じにくい: グループ全体の進行に合わせるため、個別の問題に十分に時間を割けないことがある。
- プライバシーの懸念: 他の参加者がいるため、話しづらい場合がある。(会話内容の制限)
専門家(カウンセラー)の種類
- 臨床心理士: 心理学の専門家で、心理療法やカウンセリングを行います。心理療法の専門知識があり、幅広い問題に対応できますが、資格を持つ専門家の数が限られています。
- 精神科医: 医師であり、必要に応じて薬物療法も行います。医療的な視点からのアプローチが可能で、保険適用で薬物療法が行えます。しかし、カウンセリングの時間が限られていることがあり、じっくり話す時間が取れない場合があります。
- 心理カウンセラー: 心理的サポートを提供する専門家で、さまざまな資格を持つ人がいます。資格や経験にばらつきがあるため、選ぶ際に注意が必要です。ただ、その人によって多様なアプローチやスタイルがあり、自分に合ったカウンセラーを選びやすい場合があります。
【国家資格】
- 公認心理師:心理学系唯一の国家資格で、名称独占資格です。医療・福祉・教育・司法・産業などの幅広い分野で活躍できます。
【民間資格】
- 臨床心理士:臨床心理学をベースとした心の専門家です。医療・福祉分野で活躍できます。
- 認定心理士:心理学部・大学院など、教育機関での学習が必要な民間資格です。
- 産業カウンセラー:企業で働く従業員のメンタルヘルスを支援するカウンセラー資格です。
- メンタルケアアドバイザー:日本能力開発推進協会指定(JADP)の認定教育機関等が行う教育訓練の全カリキュラムを修了することで取得できます。
- メンタル心理カウンセラー・メンタルケア心理士・メンタルケアカウンセラーなど:似ている名前ですが民間の認定資格となっています。
【国際資格】
- NLPプラクティショナー:米国NLP協会認定の実践的な心理カウンセラー資格です。
「○○の資格を持っているから」と考えるよりは、実際に話してみて「話しやすい」や「相談して(最終的に)良かった」と感じる人を選びましょう。
料金の目安と利用方法
料金:
料金はカウンセラーや施設によって異なりますが、一般的には1回あたり5,000円から15,000円程度となっています。保険適用のケースもありますので、事前に確認することをお勧めします。
月に1回でカウンセリングを受けるのが一般的ですので、料金は月5000円くらいとなります。オンライン診療が可能であれば1~3割負担で可能です。
精神科や心療内科などの医療機関で診断名が付けば保険適用となります。「病院に行くほどではない」という方はオンラインカウンセリングやグループカウンセリングがおすすめです。
利用方法:
まずは、お住いの市区町村の相談窓口に電話しましょう。地域によっては相談窓口がない場合もありますので、その場合はインターネットや紹介を通じてカウンセラーや施設を探しましょう。相談内容や希望に合ったところを選びたいところですが、なかなか相性の良いカウンセラーを選ぶ(出会う)のは難しい所です。
初回の相談で自分に合うかどうかを判断することが重要です。「話を聞いてくれていない気がする」「話がかみ合わない」「なんとなく嫌」「疲れた」などネガティブな感情がわいたらカウンセラーの変更を申し出ましょう。
日本では、メンタルヘルスへの関心が高まっており、心理カウンセリングを受けることが一般的になりつつあります。
ひとりで悩まず、自分の心の健康を大切にするために、必要なサポートを受けることを検討してみてください。
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