※ 2025年2月1日時点の情報です。
生成AI「Vercel v0(ヴァーセル・ブイゼロ)」は、Vercel社が提供するAI支援のUI生成ツールです。このツールは、ユーザーが自然言語で要件を入力することで、対応するUIコンポーネントのコードを自動生成します。
分かりやすく言うと、AIを使ってWebサイトのデザインや部品(ボタンやメニューなど)を自動で作ってくれるツールです。プログラミングの知識がなくても、簡単な指示を出すだけで、それに合ったコードを作ってくれ、外部出力で保存や共有ができます。
レスポンシブデザインでスマホ向けにも最適化してくれます。
v0 の主な機能と できる事・できない事・制約
v0 の主な機能と できる事
自然言語によるUIコンポーネント生成
- テキストプロンプトからのコード生成(話し言葉でWebデザインを作れる)
ユーザーが自然言語で要件を入力すると、Vercel v0は対応するUIコンポーネントのコードを自動生成。
ex:「シンプルなナビゲーションバーを作って」「青色のボタンを追加して」のように指示すると、自動でコードを作ってくれます。ただし、作られるのはWebサイト用の部品(コンポーネント)であって、サイト全体を作ってくれるわけではありません。Webサイトの「トップページ」「お問い合わせページ」など全体を一気に作るわけではありません。サイト全体の構成(ルーティングなど)は別途設定が必要です。各コンポーネントを組み合わせることで、最終的にサイト全体を作ることになります。 - Reactコンポーネントの生成(React(リアクト)という技術を使っている)
生成されるコードは主にReactベースであり、最新のWeb開発手法に対応。
ReactはWebサイトを作るためのプログラムの一種です。Reactを使うと、ボタンやリストなどの部品を簡単に追加・変更できます。
※ 「コンポーネント」:ボタンやナビバーなど
インタラクティブなプロンプト構造
- MDX形式の応答
Vercel v0は、MDX形式で応答を提供し、特定のMDXタイプやコンポーネントにアクセス可能。 - カスタムコードブロックの利用
ReactコンポーネントやNode.js、Pythonの実行可能コード、HTML、Markdown、Mermaid図など、多様なコードブロックタイプをサポートしている。
ただのテキストではなく、やり取りができる(反応する)質問や指示を作れる仕組み を持っている、ということになります。
例えば、普通のプロンプト(例:「おすすめの夕食は?」)では答えを返すだけ(例:カレーです。」)ですが、インタラクティブになるとプロンプトに対し質問を返してきます(「おすすめの夕食は?」→「カレーとお寿司があります。どちらが好みですか?」→「お寿司です。」→「握りずしと手巻き寿司がありますが、どちらがお好みですか?」→「握りずしです。」→「予算はいくらですか?」→「3000円です。」→「では○○というお店がおすすめです。理由は・・・」などのように質問に答えるたびに、新しい選択肢が出てきます。答えによって質問も変わります。
つまり、「あなたがどう答えるかによって、AIの対応が変わる仕組み」=インタラクティブなプロンプト構造 です。
MDX(Markdown + JSX) という特別な形式で応答を出せます。
💡 Markdownは、簡単な文章の書き方(例えば、「# タイトル」 で見出しを作れる)。
💡 JSXは、Webサイトのデザインを作るためのコード(Reactでよく使われる)。
ざっくり言うとテキストだけでなく、ボタンや画像付きのリッチな応答を作れる ということです。
いろいろな種類のコードを使って応答を作れる という意味です。
たとえば、以下のコードをサポートしています。
✅ Reactコンポーネント(Webサイトのパーツを作るコード)
✅ Node.js & Python(Webアプリやデータ分析でよく使うプログラミング言語)
✅ HTML & Markdown(Webページの基本を作る言語)
✅ Mermaid図(フローチャートや図を描くためのコード)
つまり、「ただのテキスト」ではなく、「動きのある応答」や「プログラムを使った応答」も作れる ということです。
デザインシステムとの統合(テンプレートを活用できる)
- Figmaからのデザインインポート
将来的には、Figmaなどのデザインツールからデザインをインポートし、コードを生成する機能の追加ができるらしいです。
すでに用意されたデザインの部品を使うことで、素早くWebページを作れる、という事です。 - 既存のデザインシステムとの連携
企業の既存のデザインシステムと統合し、効率的なUI開発も支援できるみたいです。
できない事や制約
言語対応の制限
- 日本語対応の不完全性
現時点では、Vercel v0のプロンプト入力や生成コードにおいて、日本語対応が不完全。
日本語でも使えるが、理解できない場合があり、指示を出すときに英語の方が正しく動く。
生成コードの品質と制限(できあがったコードは人の手で調整が必要)
- 生成コードの精度
複雑なUIや高度なインタラクションを必要とする場合、生成されるコードが期待通りでない可能性があり、最終的な確認と修正をする必要がある。 - コードのカスタマイズ性
生成されたコードはベースラインとして提供されるため、開発者が手動で調整や最適化を行う必要がある。
つまり、最終的な動作確認やレイアウト、デザインなど人の目で確認し、複雑なデザインや動きのあるページは、自分で追加・作成する必要がある。ということになります。
Vercel v0は、Webサイトのデザインを簡単に作れる便利なツールですが、まだ完全ではなく、日本語対応やコードの修正が必要になる場合があります。
外部リンク:Vercel v0
※ 一番下の「Vercel」から画像生成したりAIを変えたりいろいろできるページに移動できます。(要ログイン)。
ちなみに数行のプロンプトで作ったものはこちら
※ 「今すぐ始める」「無料で試す」ボタンは機能しません。
AI出力の信頼性に関する責任
- VercelのAIソリューションからの出力(コード、テキスト、画像など)はバグがなく正確であるとは限らず、用途に適しているかどうかはユーザー自身が判断する必要がある。
- 出力の正確性を保証しないため、ユーザーは専門家の助言として利用すべきではなく、法的・実務的な影響を受ける場合は慎重なレビューが求められる。
データの取り扱いと責任
- AIソリューションに入力したデータ(クエリやアップロードした情報)はVercelや第三者AIプロバイダーによって処理される可能性がある。
- ユーザーは自らの入力内容に責任を持ち、不適切なデータをアップロードしないよう求められる。
利用制限と禁止事項
- AIソリューションの利用には制限があり、競合製品の開発、リバースエンジニアリング、出力の無断共有・配布は禁止されている。
- 特定の用途(違法行為や有害なコンテンツ生成など)での利用が制限される可能性がある。
強制仲裁条項(米国外のユーザー向け)
- 米国外のユーザーは、Vercelとの紛争を強制的に仲裁によって解決することに同意する必要があり、裁判を通じた法的手段が制限される可能性がある。
ライセンスの制限
- Vercelは、AIソリューションの利用に関して「非独占的」「譲渡不可」「再許諾不可」のライセンスを付与するが、これは個人または社内業務目的のみに限られる。
アカウントの維持義務
- ユーザーはVercelのアカウントを「良好な状態」で維持する必要があり、アカウントが無効化された場合、AIソリューションの利用権も失われる可能性がある。
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